2013年12月14日土曜日

【mixiより転載】清須会議見てきた感想

まず、三谷幸喜が手掛けた映画を初めて見る人間が書くものなのでそんなお約束も知らないのプギャー的な記述が多々あるかと思われますがそこらへんはご容赦を。ストーリーネタバレも何も歴史的な出来事なんでアレですがキャストについての感想中心に書いてくとそれなりに出てくるので一応ね。

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◆柴田勝家が役所さんってのが最初違和感だったんですが見ていくうちにあまりに勝家過ぎて辛くなってきた。愚直なオッサンが老いらくの恋に道踏み外す様子がもう。裏目に出ても出てもやめられない止まらないところね。最終的に報われてヨカッタネー(棒読み)

◆その相手であるお市の方の鈴木京香は鉄漿(おはぐろ)がどうこうよりも腹に一物どころじゃない辺りおっかなかったっす。焼きさざえを突き返した直後の「わたくしのために…?」の後のやり取りなんか、もしや本当に勝家に心傾けたのかと思ったもんね。
そして秀吉に最終的な拒絶を示すシーンの愁い溢れる眼差しときたら。秀吉は後で嘆くよりむしろあそこまで徹底的に拒絶されたのは強い執着すなわち愛だと解釈してアドレナってエレクチオンすべき。そう思った私はどこかでカウンセリング的なものにかかるべき。

◆秀吉は大泉洋でありまあ物の見事にサルでやんした。才あるが故に膨らむ野心を持て余しもしない、大胆な策略家で人たらしで憎めない、そんな秀吉。それでいてまだ老獪というほどでもない、さわやかささえ覚えるのはまだ若いころのエピソードだからなのか大泉だからなのか。

◆秀吉あるところに軍師黒田官兵衛あり。寺島進さんがどえらいはまりっぷり。このまま大河も寺島さんでやれ。いいからやれ。

◆日和見な池田恒興が佐藤浩市さん。何分前述の通り三谷作品初鑑賞なので二の線じゃない浩市さんに驚き。もうすんげえ小物っぷり。小物であることを開き直ってるところまでいっそ清々しい小物っぷり。

◆勝家の盟友・丹羽長秀役が小日向文世さん。義理を通す誠実な知将なんだけど神輿に担いだ勝家が思うように動いてくれなかったり秀吉に出し抜かれたりして焦れたりいらついたりしてるところがたまんない。理詰めでちゃんと説得しようとしても脳筋&お市様の愛の戦士(RABU WORYA)な勝家は柳に風っつーか聞きやしねーっつーか。思い入れとしては一番強く入れて見たのが長秀かもしれない。

◆前田玄以はでんでんさん。ポーカーフェイスで裏方やってるかと思えばちゃっかり秀吉主催の酒宴で酒飲んで踊ってたり会議休憩中にストローで茶飲んでたりする、笑わそうとしてないところが笑えるおかしみ。
本筋とは関係ないんですが宣伝のためにぴったんこカンカンに出演されてた時に往年の「俺だよ」をやってくれたのがお笑いスター誕生でリアルタイム視聴してた身としては感激物でございまして。

◆寧(ねい・後の北政所)は農民出の秀吉に嫁いで今も姑小舅と農作業してる割に色白いなあってのは中谷美紀だからしょうがないか。中谷美紀について勝手に物静かでダウナーなイメージがあったので明るい寧とのギャップにびっくりしてうっかりときめきそうになった。
パンフ見たら彼女の名前をねねとするのは誤りで寧が正しく、歴史的に正しい表記をするのはこの作品が初めてだとの記述が。へー、ひとつ賢くなった。歴史の記述って研究の結果でだいぶ変わってくるもんね。蘇我入鹿を殺した事件が乙巳の変(大化の改新はその後の改革)とか、1192(イイクニ)作ろう鎌倉幕府から1185(イイハコ)作ろう鎌倉幕府とか。スパッツを穿いた聖徳太子はレギンスを穿いた厩戸皇子とか(※久世番子「神は細部に宿るのよ」より)

◆ついでに木下家。小一郎が梶原善さんだってのはわかった(童顔っぽくメイクしているので当初戸惑った)けど、おっかさまが戸田恵子さんだったってエンディングロール見るまでわからなかったよ。付け耳効果おっかない。

◆付け鼻! あれのおかげで信雄が妻夫木だってわからなかった。いいバカ殿様でした。巳之助さんの信孝も良かったですね。あの線の細そうなというかウンコ細そうな(ヘルシングのマクスウェルぽい。死亡フラグ的な意味で)感じが。
付け鼻は信長の肖像画が鼻大きかったからなあと思ってたけど、パンフレットで信長役の篠井英介さんが「僕が鷲鼻なせいで皆さんに付け鼻させてごめんなさい」という発言をしていて笑った。信包役の伊勢谷友介が「僕は自前の鼻でやらせていただきました」と同じくパンフのインタビューで答えてて更に笑った。

◆で、その篠井さんですよ。信長っぽかった。件の鷲鼻といい、少々高めの声といい、柱に刀が食い込んでやや癇性気味に外そうとする所とかイメージ通り。今年某ドラマ(城田優が信長やってたの。主役が誰だったか忘れた)で今川義元演じてた時はお公家さんっぽい扮装と野心的な戦国武将らしさが再評価後の義元っぽくて惚れ惚れしたけどやっぱり良い役者さんだなあ。

◆付け耳付け鼻と並んで特殊メイクと言えば光秀の額! 金柑頭マジ金柑頭。光秀が信長より年上の老人寄りなのが良かった。昨今の作品における明智の扱いは美形固定やら年下っぽい見た目だったりするので。
特殊メイク繋がりで番人のおじいちゃんが近藤芳正さんだってわからなかった。

◆そもそも脇役チョイ役が豪華すぎるんですよ。堀久兵衛秀政の松山ケンイチとか枝毛(なんつう名前だ)の天海祐希とか。主役でスピンオフ作れるレベルの人を数分も出ないシーンで出すのって三谷幸喜映画では当たり前なんですか。初心者なのでアタイわかんない。

◆松姫が剛力綾芽。この作品では三法師の生母説を取ってるんですね。「おんな風林火山」で結局すれ違ったままの描写を覚えてたので帰宅後Wikipedia見たら諸説あるんだなあと。おんな風林火山では松姫は鈴木保奈美で信忠が松村雄基でしたっけ。ああ大映ドラマ。
閑話休題。中盤の少女みたいに無邪気に寧と話すシーンって鉄漿してたっけか。ラスト近くの蛇のような微笑みは鉄漿の効果も相俟って壮絶でした。綾芽さんマジパネエっす。ネット上の評判とかは脇に捨て置ける程度には自分内好感度アップ。

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そんなこんなで感想だか何だかわけわかんないものになり果てましたが『面白かった』のひと言で済むことをだらだら書き連ねて見ました。アホほどネタバレしましたがお勧め映画としてはもう鉄板と言えましょう。

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